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ジャック・クレイトン
ジャック・クレイトン

先日、亡くなったジェームズ・ホーナーが音楽を担当した映画の一つに『何かが道をやってくる』(1983年)という映画があります。
ずいぶん昔、学生時代にビデオを借りて観ています。
ホーナーの音楽は残念ながら全く覚えていないのですが冒頭のシーンとか印象的で映画は断片的にですが覚えています。
この映画はディズニーが製作しているのですが日本では劇場では公開はされなくてビデオの販売のみでした
未公開になった理由はよくわかりませんが当時、ディズニー映画の新作は実写では『トロン』とか『ブラックホール』とかあったと思いますが今ほどヒットしていなかったですし日本ではまだ自社で配給していなかったと思います。
またこの映画はジェイソン・ロバーズは出演していますがスターが出ていなくて地味な印象を受けること、少年が主人公ですが家族全員で楽しむおとぎ話みたいなタイプの映画ではないこともあるかもしれません。
また避雷針を売りに来る男、移動カーニバル…など日本にはあまりなじみのない世界が描かれていて興行的に難しいと判断したのかもしれません。



この映画はイギリスの映画監督ジャック・クレイトンの作品になります
クレイトンは1921年生まれで若い頃から映画会社に入り、編集や助監督、製作補などキャリアを積みドキュメンタリーの監督を経て1956年に短編映画『外套』で商業映画にデビューした人で1995年に73歳で亡くなるまでテレビドラマやドキュメンタリーを含めて、確認できるだけですが10本の作品を監督しています
10本のうち私はこの『何かが道をやってくる』と『華麗なるギャツビー』の2本しかみていません 。
観ていない作品が多く日本未公開の作品も多いです。
作品数も少なくあまり知られていない監督さんですがとても気になる人になります

原作はレイ・ブラッドベリになります。
ブラッドベリはSF作家に分類されるのでしょうがミステリーや幻想小説などに分類される小説なども書いていてSFという枠を超えた人です。
文章がとても魅力的で読んでいるとこちらにいろいろなイメージを喚起させてくれる作家です。
SFXが発達した現在でもそのイメージを映像化するのがなかなか難しいのかもしれません。
そのせいか有名な作家にしては映画化された作品は少ないと思うのですがこの映画は冒頭からブラッドベリの世界が展開されていて私はとても好きな映画でした。
少年達とカーニバル団を描いた幻想映画なのですが少年と父親という親子関係を描いた映画でもあります。
ブラッドベリの小説がお好きな方ならこの映画をみたら若物足りなさなど感じることはあるかもしれませんが映画自体はきっと気に入って下さるのではないかと思います
今だったらきっと日本でも公開されているでしょうしもっと評価されているのではないかと思います。

ブラッドベリ原作の映画というとフランソワ・トリュフォー監督が映画化した『華氏451』を思い出しますがトリュフォーとクレイトンはブラッドベリ以外でもう一人同じ原作者であるヘンリー・ジェイムズの別々の小説をそれぞれ映画化しています。
トリュフォーが『死者の祭壇』、『密林の獣』、『こよなき友ら』をテーマにしたという『緑色の部屋』。クレイトンが『ねじの回転』の映画化『回転』になります。

ヘンリー・ジェイムズは倫理社会で習ったプラグマティズム(実存主義)で名前だけ覚えているウィリアム・ジェイムズの弟になります。
アメリカそしてイギリスなど欧州の両方で活躍した作家になります。
日本では『ねじの回転』や『デイジー・ミラー』などが文庫本が出版されていて知られていると思います。
『ねじの回転』に代表される心理的に怖い小説や『デイジー・ミラー』に代表されるような欧米の文化や習慣の違いなどに戸惑い翻弄される人を描いた国際状況ものなどいろいろな小説を書いています。
難解な小説を書いている作家というイメージがありますが読みやすい小説もあって、私は『ねじの回転』、『エドマンド・オーム卿』、『デイジー・ミラー』、映画『女相続人』の原作『ワシントン・スクエア』とか好きです。
特に『アスパンの恋人』という小説は読みやすくて面白くて一番好きです

『ノッテイングヒルの恋人』という素敵なイギリス映画がありましたがそのなかでヘンリー・ジェイムズの名前が出てきたりヒロインのジュリア・ロバーツが彼が原作の映画に出演しているというエピソードが出てきます。
また私はいずれも原作は読んでいませんが少し前に『ある貴婦人の肖像』(原作は「ある婦人の肖像」)や『鳩の翼』などの長編も映画化されています。
欧米では今でも評価の高い作家だと思います
偶然なのでしょうがトリュフォーとクレイトンがブラッドベリとH・ジェームズという同じ原作者の小説を映像化しているのは興味深いです。
またクレイトンには未見ですが『Our Mother's House』という日本未公開の作品があります。
7人の子供が亡くなった母親の死を隠すため遺体を庭に埋めるが消息不明だった父親が現れて…というクレイトンらしい?物語のようですが音楽を担当したのがトリュフォーの映画音楽をよく担当していたジョルジュ・ドルリューtというのも興味深いです。


【略歴】
1921年 イギリス・ブライトンで生まれる
      スピードスケーターを志していた?
1935年 ロンドンフィルムに入社
      編集、助監督などを手がける
      英国空軍撮影班に所して、ドキュメンタリーの製作・監督を手がける
1944年   『Naples Is a Battlefield 』(監督?表示なし) 短編ドキュメンタリー クレジット表示なし 日本未公開
      ロムルスフィルムに入社
1949年 『スペードの女王』 The Queen of Spades  製作補   (ソロルド・ディッキンソン監督)
1951年 『 Flesh & Blood 』(未) 製作補   (アンソニー・キミンズ監督)
1952年 『赤い風車』 Moulin Rouge  製作補    ( ジョン・ヒューストン監督)
1953年 『悪魔をやっつけろ』 Beat the Devil 製作補   (ジョン・ヒューストン監督)
1954年 『善人は若死にする』The Good Die Young 製作補  (ルイス・ギルバード監督)
1955年 『嵐の中の青春』 I Am a Camera 製作補  (ヘンリー・コーネリアス監督)
1956年『Dry Rot 』(未) (製作)  モーリス・エルヴィ監督
1956年 『Three Men in a Boat』(ボートの三人男)(未) (製作)  ケン・アナキン監督
1956年 『外套』The Bespoke Overcoat (短編) 監督・製作 
1956年 『白鯨』 Moby Dick (製作補 クレジット表示なし)  ジョン・ヒューストン監督
1956年 『Sailor Beware 』(未)  製作  (ゴードン・パリイ 監督)
1957年 『光は愛とともに』 The Story of Esther Costello   製作  (デヴィッド・ミラー監督)
1958年 『The Whole Truth』(未) 製作  (ジョン・ギラーミン監督)
1959年 『年上の女』Room at the Top  監督  
1961年 『回転』The Innocents      監督・製作 デボラ・カー主演
1964年 『女が愛情に渇くとき』 The Pumpkin Eater  監督 アン・バンクロフト主演
1964年 『Our Mother's House』(わが母の家)(未) 監督・製作  ダーク・ボガード マーク・レスター主演
1974年 『華麗なるギャツビー』 The Great Gatsby 監督 ロバート・レッド・フォード主演
1983年 『何かが道をやってくる』Something Wicked This Way Comes  監督
1987年 『The Lonely Passion of Judith Hearne 』(未) 監督  マギー・スミス ボブ・ホプキンス主演
1992年『 Memento Mori 』 (TV シリーズ)  監督
1995年 死去



監督になる前、長い下済み生活を送っていますが注目したいのは製作補としてジョン・ヒューストンと仕事をしていることです。
彼がイギリスで撮った『赤い風車』(ロートレックを描いた作品。主題曲の「ムーランルージュの歌」)が有名です)と『悪魔をやっつけろ』(ハンフリー・ボガート主演)、そしてクレジットされていませんが『白鯨』と3本も一緒に仕事をしていることです。
ヒューストンの自伝にもクレイトンの名前が出てきます。
この時期、ヒューストンはアフリカでロケした『アフリカの女王』をはじめとして赤狩りの影響などもあるかと思いますがアメリカを離れて映画を撮っています。
『白鯨』はアイルランドでロケをして撮っていますが脚本は『何かが道をやってくる』の原作者レイ・ブラッドベリがヒューストンとの共同ですが担当しています
(ブラッドベリによるとヒューストンに会い脚本を依頼されるまで『白鯨』は読んだことがなくヒューストンに初めて会った際に翌日までに読んでくれと言われ一晩かけて読んで『白鯨』はとても気に入ったそうです。)

『白鯨』の撮影の際、ブラッドベリとクレイトンは出会い、二人の間で交流・接点ができたのかもしれません。
私の勝手な想像ですがブラッドベリはクレイトンがその後、監督に昇格した後の作品を観ていて『何かが道をやってくる』が映画化が企画されたときブラッドベリが監督としてクレイトンを推薦したんじゃないないかなあ…と思ったりします。
『何かが道をやってくる』はブラッドベリ自身が映画の脚本を書いています


生涯に残した映画の本数は少ないですがクレイトンは人間の内面に関心があり人間の潜在意識、そこから生じた恐怖などを幻想的に描いた作品群がありその系統には『外套』、『ねじの回転』、『私の家』、『何かが道をやってくる』‥の作品があり
もう一方では恋人・夫婦間など男女関係から生じるすれ違い、葛藤などを通して人間の内面を描いた『年上の女』、『女が愛情に渇くとき』、『華麗なるギャツビー』…などあるように思います。(未見の作品が多く間違っているかもしれません)

また女優さんの魅力を引き出すのが上手な監督さんだったように思います。
『年上の女』.のシモーヌ・シニョレ(イブ・モンタンの奥さん)がアカデミー女優賞、カンヌ映画祭女優賞を受賞していますし『女が愛情に渇くとき』ではアン・バンクロフト(「卒業」のミセス・ロビンソン!)がカンヌ映画祭、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞で女優賞を受賞しています。
『華麗なるギャッツビー』のミア・ファローやカレン・ブラックも良かったと思います。

未見の「外套」や大好きなデボラ・カー主演の『回転』は是非観たい映画ですし、『年上の女』、『女が愛情に渇くとき』も観てみたいです。また一度観ていますが今回取り上げた『何かが道をやってくる』。そして『華麗なるギャツビー』(脚本がフランシス・コッポラ!)ももう一度観てみたいです。レオナルド・ディカプリオ主演の新しい作品も観ていないので両方観てみたいですね

亡くなってから歳月も経っていてあまり取り上げられることがない監督さんですが観てみたい映画がたくさんあるイギリスの監督さんです


※『世界の映画作家32イギリス映画/イタリア映画』(キネマ旬報社)、『王になろうとした男ジョン・ヒューストン』(ジョン・ヒューストン著・清流出版)、『ぼくのシネローグ』(中山信一郎著 G1ブックス)ほか参考にしました。


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